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住宅誌インタビューより

「今日の分、持ってきて!」と母親の声。男の子が元気よく冬の屋外に飛び出し、薪を運んでくる。「二人で10本」。畳部屋の掃除とともに息子たちの日課だ。この「建築工房零」のすまいを訪れたのは、雪景色に包まれた1月上旬。築8年経つ白石市のTさん宅だ。

日曜日を家族水入らずで過ごす4人が暖かい室内に迎えてくれた。玄関から薪ストーブが印象的な吹き抜けの「だんらんの間」、土間台所の左右に繋がる動線。冬の陽射しが家の奥まで射し込んでおり、磨き抜かれた飴色の唐松の床が、Tさん家族の丁寧な暮らしぶりを伝えてくれる。

「悩み事があると無心になって床を磨くの。すると、いつの間にか落ち着く」と奥様。室内を見渡すと、「古いものが好きで、どう飾っていくかが楽しみだった」という家族が集めたアンティークな生活雑貨や道具、子どもの成長の跡が記された柱…。どの場所にも“家族らしさ”が溢れている。格子窓から見える景色も含め、家族と同じ時間を積み重ねてきた住まい。「零じゃなきゃ建ててなかった」と奥様。この日、案内してくれた零のスタッフと、新築当時の思い出話や、子育ての話に花を咲かせる家族の姿に、零の心が見えた。

DATA

敷地面積:150.97坪(500.09㎡)/ 延床面積:35.06坪(116.13㎡)/ 構  造:手刻みによる木組み / 設  計:小野幸助一級建築士 / 所  在:白石市

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