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リノベーションの潮流

リノベーションの潮流

建築工房零

(2017年5月発行のぜろだより掲載のコラムになります。)

 

古いものが持つ物語を引き継ぎ暮らす

全国の空き家率が13.5%になる中、100年を優に超える古民家改修が、相馬市で進んでいる。これまで幾度となく増改築を繰り返してきた建物は、ここにきて更にその期待に応えるべく、大きく生まれ変わろうとしている。

零では、建築の約2割が改修であり、その割合は年々増加している。古民家再生、自宅リフォーム中古住宅購入&リノベーションなど、需要は様々だ。ややもすると、表面的な変り映えに気を取られがちになるこうした工事だが、実は技術的には新築よりも難しく、意匠的にも高いセンスが求められる。さらにはコスト管理の難しさもそこに関わる。

住宅診断から始めよう

ここで、零のリノベーションの特徴を見ていこう。まずは設計や施工の前に、不動産と建築の二つのプロの目を持っているということが挙げられよう。そもそも、その建物にお金を掛ける価値があるのか。掛けるべき金額はいくらなのか。建築士や既存住宅現況検査技術者が”インスペクション(住宅診断を実施した上で、宅建取引士が客観的な資産価値を求めライフプランの判断材料の一つとして提供していく。つまり大きな方向性を間違わないような手助けができるのだ。

次に、設計と施工。これは、新築と同じ哲学と技術が地下に脈々と流れている。自然素材、光と風の計画、広がり間取り、伝統工法で培った手刻みの知識と技術。改修を終えた建物はどれも個性的だが、それでいてやはり零の家になっていく。

zerovationを体現する寺岡リノベ提案型住宅

そんなリノベーションを体現するプロジェクト”寺岡リノベーション提案型住宅”。

2030年には、住宅購入の半数が中古住宅になるという予測もある中、「中古住宅」「リノベーション」「DIY」が、次のキーワードになることは間違いないだろう。

仙台市北部に位置する泉パークタウン”寺岡”に建つ中古住宅。アウトレットモールまで徒歩圏内とあり、人気の高いエリアだ。写真は改修前のLDKと、通りからの外観。

 

性能とデザイン、理論と感性。

性能とデザイン。理論と感性。私たちに求められるのは左脳と右脳を融合した家づくりなのかもしれない。リノベーションは、やはり面白い。(建築工房零専務取締役・菊地史朗)

 

 

 

大和町鶴巣に2年前に大規模改修を終えたK 様邸の母屋と、古い佇まいを残す納屋。

べんがらの古いタンスも、鉄の4本脚を設え、モダンな家具に。

隠すより見せる。ゼロの引き算リノベ

古いものや都合の悪いものを、新しいもので覆い隠すのではなく、余計なものを取り除き、伸びやかな広がり間取りを生み出す。構造と素材美をデザインするzerovation・H様邸。

仕上げの異なる天井が、遊び心をくすぐるH様邸の1階フロア。

新たに設けられた大きな吹抜けにより、光を導き、家族をつなぐ。

S様邸のリビングの内観

マンションだって自然化計画

太白区長町の築20年ほどのマンションを購入し、自然素材と広がり間取りの空間に。4LDK だった間取りは、35畳の広さのLDKと個室1部屋に。家族4人は、LDKの中に柔らかく間仕切りられたベッドスペースで眠る。(Y様邸)

加速するリノベーション+DIY的インテリア

築70年ほどの小さな農家の家を、リノベーションした筆者自邸。天井と床を剥がし、現しの勾配天井と、広い土間を設ける新たなプランは、結果的に建てられた当時の姿に戻していくことでもあった。新築とは違い、自ら手を加え楽しんでしまえることが、リノベーションの魅力を広げていく。

 

既存の住宅にガレージを増築。蔵王のT様邸では、かわいい愛車が居心地良さそうに寛いでいた。

段差をなくした炉台と、薪ストーブ、そして塗り壁に飾られた絵画が、暮らしに彩りを添える。(S様邸)

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