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eps.13  のびのび生きる

eps.13 のびのび生きる

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自然をまとったイニシエの地

北上川が旧北上川と分岐する地点。小さな集落をつくる細い路地を抜けた突き当たりに建つのは、石巻市桃生町のS様邸だ。色づき始めた森林の中に、パーマネントブルーの鮮やかな外壁。遊び心を掻き立てるL字の空間にやんちゃなジムニーが首ならぬ、車高を高くして出迎えてくれた。

広い敷地の奥に車を停めると、森の奥からカモシカが顔を覗かせているのに驚いた。ご主人曰く、「家のそばまで下りてくることもあるんです。ほかにもウサギやキジ、シカなど。道端のクローバーを食べに来ますが、危害を加えることはありません」と教えてくれた。元々この地は桃生城といって、奈良時代に建てられた城柵のあった場所。自然を身近に感じながらも、どこか自然の佇まいにも奥ゆかしさが感じられる。

 

家族の“好き”が彩るリビング

「いつもこの場所で家族三人寛いでいます」というだんらんの間。夏の暑い時期は、ひんやりと涼しいコンクリートの土間床に三人で雑魚寝したことも。隣接するダイニングは壁面が本棚になっていて、インドア派という奥さまが読まれる本やマンガがぎっしり。特にお気に入りは「ハリーポッターシリーズ」。映画にはない、細かな描写などが楽しめるのだ。4歳になる娘のHちゃんはバレリーナを目指す元気いっぱいの体育会系女子。プロレスごっこをしたり、かくれんぼしたりとこの日も賑やかだ。人見知りせず、近所の方へ飴を配りに行ったり、こっそり家の中に落書きをする特技?も併せ持ち、家中にイラストが増えていくのだそう。

 

ガレージは男の秘密基地

バイクは夢だったと話すご主人。両親には反対されていたが、奥様との結婚を機に免許を取得。買い物に出かける時でも奥様の運転するジムニーと共に、愛車にまたがりツーリングを楽しむ。そんなご主人は、剣道一家で育ち、剣道の腕前は五段。物心ついた頃から竹刀を遊び道具に育ち、小学校の4年生から本格的に剣道を始めると様々な大会で入賞。全国大会にも出場している実力者だ。いずれは手付かずの敷地部分に剣道場を建て、かつての自分のように竹刀を遊び道具にしている娘と一緒に剣道をするのが夢なのだとか。

アウトドアにも馴染みが深く、春は裏の竹やぶからたけのこを切ってきたり、夏は子供よりも熱中して川の中に入って網を片手に一生懸命エビ獲りをしたり、冬は娘のためにかまくらを作ったりとお茶目な部分も。元自衛官だった要領でチェーンソーなどの機会も難なくこなすが、愛する娘にはかわいさ余ってよく振り回されると笑う。

 

住まいが与える家族の魅力

料理も得意なご主人。得意料理は娘にも大好評のオムライス。ご夫婦でキッチンに立つこともあるのだとか。二人でアレンジしたアメリカンな雰囲気の内装もスマートなご夫婦をより魅力的に見せていて、仲のよさを伺わせる。家族三人が仲良くのびのび暮らす姿に、私たちも思わず癒された。

Data

所在 / 石巻市桃生町   竣工 / 2016年12月   設計 / 石田 文子(二級建築士)   構造 / 在来工法   延床面積 / 32.51坪 敷地面積 / 447.86坪

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