ゼロダヨリ/暮らし人

人が暮らしをつくり、暮らしが人を育む。
シリーズ「零の家の暮らし人」。

eps.8 ふたりの時間の愉しむ

「好き」に囲まれた、ふたりの空間

4月の良く晴れた日曜日。夫婦二人で暮らす、亘理郡亘理町のKさんのすまいを訪ねた。南面に大きくとられた窓からは、心地よく太陽の光が差し込み、窓の外には田園風景が広がっている。 そのすまいには、二人の「好き」がたくさん詰まっている。

北欧ビンテージの家具、古い和箪笥、ハンモック、キャラクターグッズ、アウトドアでも使えるキッチンツール、漆喰の壁に飾られたモダンな絵画、漫画やCD、存在感のあるオーディオスピーカー。個性の強いアイテムたちが、絶妙なバランスを保って空間を彩る。「話しやすいように」と、コーヒーを淹れ、スローなジャズ音楽を流してくれた。

 

一生に一度きりの 家づくりだから

「一生に一度きりだから、とことん関わりたかった」と自身の家づくりを振り返るご主人。亘理町の実家近くに居を構えることを決め、野球部で一緒だった高校の同級生が働く零にふらりとやってきた。そこでスタッフと意気投合し、瞬く間に家づくりが動き出した。  それからは、間取り図とにらめっこし、家具の配置まで含め、新しい暮らしを思い浮かべる毎日だった。「基礎だけの状態をまじまじと見ることなんて、後にも先にもないから」と、仕事帰りに建築現場に立ち寄っては、何枚も写真を撮った。設計や現場の担当者と密にやり取りした甲斐もあって、家づくりと並行して揃えていった「好き」なものたちも、ぴったりと収まった念願のすまいが完成した。

 

暮らしを整える、オフの時間

Kさん夫婦が、日々の暮らしの中で大事にしている時間がある。それは、夕食後のだんらんの時間だ。ダイニングテーブルに向かい合い、それぞれの勤務先での話から、楽しかったことや落ち込んだことまで、互いに今日あったことを話す。そのうちに、気持ちが整理されていく。「夫婦で1日に30分以上話す時間をつくるといいらしいですよ。うちはそれをテレビで知る前からずっとしているけどね」と、ご主人はちょっと誇らしげ。ちょっとしたことでも伝え合い、隠し事なく暮らしていくのが仲良しの秘訣なのかも。

 

いつか訪れる新しい命を見据えて

ここ最近は毎週末ボーリング勝負。1泊2日で北関東を横断するドライブをして、思い出のつけ麺を食べに行くなど、本当に仲が良い。  今は二人暮らしだが、いずれ生まれるであろう我が子との暮らしも楽しみに見据えている。子ども用品を置く場所をつくるのに、「子どもができたら、ガレージセールでもしようかな」とご主人は笑う。ふたりの「好き」に囲まれる暮らしに、さらにたくさんの「好き」が積み重なっていく。Kさんご家族が、毎日愉しく暮らしていく様子が目に浮かんだ。

洗練されたすまいのインテリアの数々。 北欧インテリアの全国誌にも特集された。

心が動くことに、素直でいる

カメラ、バイク、パソコンゲーム、三線など、とにかく多趣味なご主人。奥さまとの結婚前に購入したランクルは、10年以上大事に乗り続け、先日手放すことを決断した。次の車は、いつも自分のことを優先してくれる妻に選んでもらいたい、との想いもあったそう。

愛用のペレットストーブでは、ケトルを乗せて湯沸かしもできる。

2階のスキップフロアは、冬は陽が差し込み、一番洗濯物が乾く場所。それぞれの趣味を楽しむ空間にも。

キッチンから眺める、私のお気に入り

広々と作業しやすいキッチンと小上がりのタタミの間が、奥さまのお気に入り。小上がりの良さのひとつは、床下にたっぷり収納できること。シーズンものの収納などで、かなり重宝しているのだそう。

ビンテージのマグカップ。「古いから良いとかではなく、質感やその佇まいが好き」とご主人。

ご主人の祖父が、曽祖父から譲り受けたという柱時計。12時にぼーん、ぼーんと鐘が鳴るその柱時計は、修理をするのに1ヶ月以上時間が必要なのだそう。アナログだからこそのそんな手間暇もまた、愛おしい。

ふたりで楽しみ、ふたりで築く毎日

仕事の休みが不規則な奥さまと休みを合わせるのに、有給休暇が全然残らないことを、嬉しそうに話してくれたご主人。これからの季節は、共通の趣味だというキャンプやBBQをするのが楽しみなのだそう。さらに「次はシアタールームを作りたい」と、これからの暮らしを思い描くだけでワクワクが止まらない。

釣りも、ご主人の趣味のひとつ。梁に何本もの釣り竿が並ぶ。

「一生大事に乗る」と奥さまに約束して購入したバイクは、いつもピカピカに保たれている。

竣工時のすまいの外観写真

DATA

所在 / 亘理郡亘理町
竣工 / 2017年7月
設計 / 小野 幸助
構造 / 在来工法
敷地面積 / 82.15坪
延床面積 / 30.82坪