木組みの叡智と共に

木組みのメカニズム

 木組みの特徴はまず、太く長い木材を長いまま使う点にあります。短いものを何本も組み合わせて使うよりも、断面欠損が少なく、粘り強い構造を成すことができるのです。金物に頼らず、木と木を組み合わせていく木組みは、木材の靭性(じんせい)という性質を利用していて、柔軟で粘り強い構造だと言えます。その粘り強さは「変形能力」とも呼ばれ、変形可能域があることで破壊されにくい継ぎ手と仕口を可能にし、倒壊しにくい家を実現しています。

すっきりと見せる在来工法

 木組みと同じ木造軸組構法に“在来工法”があります。実は日本の木造住宅の多くがこの工法で建てられていて、そのほとんどが工場任せのプレカットによるものです。それに対して零では、木組みと同じように、設計士が図面を引き計算を行い、工場の協力の下にプレカットを行っています。金物に頼らない木組みとは異なり、在来工法では仕口(木材の接合部分)を金物で固定。一般的にこれらは天井によって隠されるため、これを見ることはまずありません。対して零の家では、木組み同様に構造を現し、すっきりとした印象の空間の広がりをもたらしてくれるのです。
 十分な強度を保ちながら、工期や費用を抑えることのできる点も、この工法の魅力だと言えます。

構造と間取りの整合性

 よく自由設計という言葉を耳にしますが、本来、構造を無視して好き勝手に間取りを決めることはあってはなりません。逆に構造のみを重視するあまり、暮らしにくい家になっては本末転倒です。しかし多くの家づくりは、営業マンがお客様の要望で部屋を並べ、それに従って設計担当者が図面を引き、プレカット工場が構造計算をします。一体誰が責任ある設計の主体者なのでしょうか。間取りは常に構造との相関関係にあり、そのつながりが素直なほど、シンプルで住みやすく強い建物になります。それを導き出すのが本来の設計の技術であり、仕事のはずです。
 「自由設計」だからいい家になるのではなく、「○○工法」・「○○金物」だけで強い家になるわけでもありません。それらの整合性の中にこそ、いい家、強い家は成立すると考えます。

伝統と現代、二種類の工法

 私たちは、自社設計・自社施工の建築会社です。新築住宅は住まうご家族とともにつくり上げる注文住宅が基本。長く愛され、住み継がれる家とするために、地元の無垢の木を使い、大工職人の手による「伝統構法・木組み」または「自社建築士が構造計算・設計まで行うプレカット在来工法」を採用しています。