断面計画【設計と技術】

断面計画【設計と技術】

 

設計と技術

断面計画


住まいの基本は平屋
天井をあげずに小屋部分(屋根の三角の部分)の小屋梁を表しにすれば桁高さは7尺5寸(2275ミリ)もあれば十分です。
しかし、敷地の広さや予算などの制約で面積が大きく取れないときには二階建てにすることになります。

そこで次の発展した形が総二階となります。
平屋の下に同じ大きさで一階を作ります。(平屋の上に二階をあげるのではない)
平屋部分が二階になります。
一階部分は上部に三角の小屋部分がないので9尺(2730mm)くらいは欲しいです。

一階と二階の大きさが異なる場合は更に下屋を付け足します。
下屋は平屋と同じように三角の小屋部分が上部にあるので桁高は7尺5寸。
本体の一階部分は9尺なので通し柱に梁を差す高さに段差が出来ます。
仕口が集中しないので通し柱を傷めません。
③-2
一階の上に二階をのせる、という考え方では、一階と二階の構造がバラバラになります。
二階の力が一階にスムーズに伝わらないので構造的にも弱く、無駄な部分やよけいな手間が掛かり、経済的にも合理的ではありません。

下屋を大きくしていくと二階の屋根と高さがそろう時が来ます。それが大屋根。
大屋根の場合は軒の出を大きめ(4尺(1200mm)程度)にとるとバランスが良い
大屋根にした場合の下屋の小屋裏はかなり大きくなるので、小屋裏利用もできます。

大屋根の場合は反対側に下屋が取り付くととても安定感のある家になります。

この流れからわかるように、家のプランは二階から考えると良い。
上に乗る部分が出来て初めてそれを支える1階を考えます。

断面計画②

①家をつくるにはまず、屋根の形を計画します。
北側斜線、美しさ、道路からの見え方、室内・・・
様々な条件を元に計画します。
②次に、屋根の下地である母屋の位置を計画。
基本的に一間(1820mm)ピッチで母屋を配置します。
③母屋の位置が決まるとその母屋を支える梁の位置を計画します。
一間(1820mm)、または一間半(2730mm)で梁を配置します。
④梁の上に束を配置して母屋を支えます。
⑤必要に応じて二重梁をかけます。
合理的な間取りをつくるにはこの屋根の構造をイメージしながら母屋と梁のマス目の中で設計をします。
構造と間取りとは常に密接に連動しなければならないのです。