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子供室の設計


子供室は間取りの中で最も時間的変化が大きく予想される空間だろう。

子供の成長・受験・独立・結婚・同居・世代交代・・・・・

その変化に対応できる設計も耐久性(耐用性)の一つだと考える。


また、子供室の設計は子供の成長に大きな影響をおよぼす。
どんな部屋で育ったのか、どんな環境で勉強したのか。
子供を下宿人にしてはいけない。

ある教育大学の調査によると、感性を評価するテストで高得点をとった子供たちは茶の間(リビング)で勉強する傾向があったそうだ。身近な大人であるお母さんとの会話がどれだけ重要だと言うことだろう。

また、打ち合わせ中に、あるお母さんから頂いた言葉が非常に印象的だった。

「個室でだれにも邪魔されない集中できる環境で勉強させたい気持ちもわかるけど、大人になったらそんな環境で仕事なんて出来ないよ。そんな環境でしか集中できない大人には・・・」

もともと、人生で本当に大事な勉強は個室の中ではなく、親との会話の中にあるような気がする。



一つの提案。

あえて子供室を作らないのはどうだろうか?

子供のスペースはつくる。しかし、個室としてスペースを区切ることはその空間を限定してしまう。
先述のように子供のスペースはいつも大きな変化を受け入れなければならない。

例として零の建築事例を一つ挙げる。








子供のスペースはあえて仕切らずに大きな空間としている。収納は共有ホールに共同の納戸を設けた。その共有ホールには造り付けのカウンターを設け、お父さんのパソコン、子供たちのお絵かき、宿題、様々なシチュエーションに対応する。

①~幼少期
子供が小さいうちはお母さんの目の届く距離である一階のリビングで遊び、夜は両親と一緒に寝るケースが多いだろう。
だが、オモチャや歩行器など、どうしても子供のための道具は大きくかさばる。そして多い。
そういったものを置くスペースとなるのだろう。

②~小学校低学年
兄弟でプライベートの空間を使うにはまだ早い。大きな空間に二段ベッドまたはシングルベッドを並べて寝る。(男女の兄弟でも同じ)宿題・お勉強はお母さんのいるリビングか、共有ホールのカウンターで休みでパソコン中のお父さんに教えてもらいながら。
入口の建具は常に開けたまま。

③~小学校高学年
子供の成長が進み、「個」を意識しだす。また、男女の兄弟では「性」も気になりだす頃。
タンスや本棚などで空間をゆるやかに仕切り、ベッドは別々に置く。納戸は共用
入口の建具を閉める機会も増えてくる。

④~中高生
個人としてのプライバシーが必要となる。
大きな空間は建具、あるいは壁を造作して仕切る(取り外し可能)。ベッドだけでなく、勉強机やある程度の収納もその中に必要となる可能性も出てくる。(もちろん共用の納戸がメインの収納)
入口の建具は閉めていることが多くなる。

⑤~大学生・社会人(独立)
兄弟のうち、一人(または二人)が独立する。または、別の地域の大学へ進学して下宿。
残った子供がそのスペースを大きく使える。(末っ子は常にオトクだ。)

⑥~独立後
子供たちはそれぞれ独立。盆・正月の帰省に帰ってくるくらい。その時に寝るスペースは必要。
息子が彼女を連れてくるかもしれない。(娘が彼氏を連れてくるのは断じて許さない)

⑦~子の結婚・同居
最近は娘の親と同居する、いわゆる「マスオさん」が多いという。
若夫婦の子育ての空間となる。

⑧~孫の成長
世代交代。足腰の弱くなり、トイレの近くなった親世代は一階の和室に移動。子供世代が二階の寝室を使う。
孫は成長。①~②~③~と。



・・・・・・・34坪の家の中で単世代から3世代同居までの生活の変化に十分対応できる。

こんな家で育った子供はまず「引きこもり」にはならないだろう。
 
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