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(5)次世代省エネ基準


zeronext project の詳細をお伝えする連載シリーズ。
第5回目のテーマは、「次世代省エネ基準への挑戦」。

最近よく耳にするようになってきた「長期優良住宅」。
その認定を受けるためには、住宅性能表示制度に基づいたいくつかの基準を満たすことも条件となります。
今回はその中のひとつである、温熱環境(次世代省エネ基準)に焦点をあわせ、zeronextでの取り組みについて紹介していきます。
 

次世代省エネ基準とは
次世代省エネ基準とは、二酸化炭素の排出を抑えて、地球温暖化対策に貢献するために設けられた基準のこと。省エネルギー法に基づく住宅の断熱性能基準「省エネ基準」が1980年に定められ、1992年に「新省エネ基準」となり、1999年に次世代省エネ基準として告示された。新省エネ基準に比べて、10~30%程度の省エネ効果向上を図るために改正されたものだ。 (それぞれの省エネ基準は住宅性能表示上、等級2~等級4とし表現される)



省エネ基準は、断熱性能が評価の対象となっており、それは地域毎に6区分される。寒さの厳しい地域から順に高い数値が求められているわけだが、宮城はⅢ地区に区分されている。
次の表が「零の家」で使用している材料等を、それぞれの基準に照らした必要性能となる。
 


現在の「零の家仕様」は“等級3”

※「零の家・基本仕様」はこちら。) 
まずは、現在の基本仕様の「零の家」が、どの等級の該当するかを見てみよう。

結果は等級「3」。次世代省エネ基準の「等級4」を満たしていないことが分かる。個別に見ていく。
①屋根断熱は、等級3。基準値は満たしてはいないが、その不足分を大幅に基準値を上回る壁断熱が補っており、建物全体での断熱性能が充分に保たれていることで規定により基準を満たす。
②壁断熱。既に等級4を満たしている。
③基礎断熱。立上り部分のみ、等級4に及ばず。
④開口部。サッシ種に関しては、アルミサッシの室内側に木製サッシ(内木建)を入れている多くの零の家の場合は、2重サッシとなり、既に等級4をクリア。ドアに関しては、断熱積層を持たない木製のため等級3にとどまった。


「zeronext」での取り組み
次に、zeronextでの取り組みについて触れていく。

まずは屋根断熱。zeronextでは“フェノールフォーム保温板”に分類される「ネオマフォーム」という断熱材を採用している。太陽熱暖房「そよ風」を搭載した屋根構造であるため、“より熱に強い”断熱材を採用したわけだ。厚みは60mmであるため、単体で基準を満たすものではないが、前述したのと同じ規定で等級4となる。
 

次いで、開口部のサッシ。“アルミ樹脂複合サッシ”を採用し等級4を満たすことに。先に説明したとおり、内木建を入れれば2重サッシとなり等級4となるわけだが、今回は内木建ではなく「障子」を入れる計画のため二重サッシとはならず、「アルミ樹脂複合」としたわけだ。余談になるが、使用ガラスは、冬の陽射しをダイレクトゲインとするため、敢えてLow-Eガラスを使用していない。また、空気層にアルゴンガス入りのものを採用することで、より高い断熱性能を求めた。大きな開口を設けることによるデメリットを補うための工夫の一つでもある。 


さて問題は「玄関ドア」。「零の家」ではzeronext仕様も含め、杉やタモ、唐松等の無垢材を使い、オリジナルでつくったものを使用している。
等級4を満たすためには、金属製もしくは、木やプラスティックと金属の複合材料を用いた断熱フラッシュ構造の既成のドアを使用するか、断熱積層構造の木製のドアをつくり、新たに認定を得るしか方法がない。
断熱材入りの既成のドアを付けてしまえば、直ぐに問題は解決するわけだが、私たちの家づくりのスタンスとしては、認定を得るためだけに、積極的に採用するものではない。零の家の設計では、常に玄関とリビング等の暖房空間を建具で仕切っている。これは風除室機能を持たせるためであり、玄関ドアの種類に左右される断熱性能よりも、はるかにその効果は高い。こうした設計的工夫で、根本的な解決を図ることが大切だ

 
玄関ドア1枚とはいえ、事実として次世代省エネ基準の等級4を満たすことはできなかった。
しかし実際的には、総合的な技術面・数値面を含め、次世代省エネ基準同等以上の性能であることが実証された。
制度を利用するメリットや、指し示す指標を重要視しながらも、本質を見据えた家づくりを志していくスタンスには変わりはない。もちろん、これまでの話をご理解いただいた上で等級4(次世代省エネ)の認定をご希望される方への対応は、玄関ドアに認定品を使うことで何ら問題もない。

今回“次世代省エネ基準”を考える機会を得て、改めて気付かされたことがありました。
それは、「零の家」には断熱性能の他にも、多くの重要な「省エネ」が存在するということ。
①循環型の材料である木材を利用していること
②その木材は、なるべく近くの山から運んでくること
③無垢の床板や柱・梁など、もともと断熱性能の高い自然素材を使用していること
④自然のエネルギーと上手く付き合うことのできる設計であること
⑤無駄なものをつくらないこと
⑥永く使えるものをつくること
⑦住まう人が同じ想いを持って暮らしてくれること。そして受継いでくれること
これらが「零の家の省エネ基準」なのかもしれない。



 
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